ゾロアスター教由来の新年祭り ノブルーズ Novruz bayramı

小ネタ

ノブルーズとはゾロアスター教由来の新年祭りで、ユネスコの無形文化遺産に登録されている。アゼルバイジャンだけでなく、近隣のイランやトルコ、ウズベキスタンやカザフスタンなど広範囲にわたる国・地域で祝う。アゼルバイジャンでは3月20日、21日が祝日で、そのあと1週間ほど新年休暇で学校や会社などは休みとなる。日本でいうと、正月休みのような位置づけである。

ナヒチェヴァンのノブルーズ祭りの様子

祭りの約1カ月前から準備が始まる。ノブルーズの4週間前の火曜日から1週間ごとに、水・火・土・風の火曜日と呼ぶ。水・火・土と風は自然を目覚めさせ、花がほころび始める。それは春の訪れを象徴している。
最初の火曜日からホンジャ xonçaという飾り物をする。銀や銅のお盆の上に、赤いリボンを巻いたセメリ səməni(麦のスプラウトで、生命の息吹を意味する)、キャンドル、家族の人数の数字や絵を描いた卵、パフラヴァやシェケルブラなどのお菓子、ナッツやドライフルーツなどを盛り付ける。
ノブルーズでは、焚き火の上を飛んで無病息災を祈ったり、親戚を訪ねたり、先祖の墓参りに行ったりして過ごす。バクーでは旧市街や海岸公園などに、食べ物の屋台や露天のお土産物屋が出たり、コンサート、フォークダンスや大道芸のパフォーマンスが行われ、大変な人出となる。

焚き火をして、その上を飛び越える

バクーの旧市街イチェリ・シェヘルに出た土産物屋の露店

ホンジャはオフィスにも飾られる

この記事は書籍「カスピ海の至宝 アゼルバイジャン(2016年5月出版)」に掲載されたものです。情報は2016年3月の取材時のものとなります

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